NISA

新NISA月1万円では足りない?老後に2000万貯めるのに必要な積立金額

2024年1月8日

ニュースなどで「貯蓄から投資へ」というフレーズを見聞きする機会がふえてきました。

超低金利が続く状況下では銀行口座にお金を預けておいても利子はほとんどつきません。そのため、投資による資産形成が注目されつつあります。

そんな中、2024年1月から新NISAが始まりました。

2023年までの旧NISAと比べると、投資をする人にとってとてもやさしい制度になりました。

この記事では、新NISA「月1万円」の投資でいくらの資産を築けるかを積立年数別に紹介してします。また、年代別に2000万円貯めるために必要な毎月の積立金額も紹介しているので、参考にしてみてください。
 

新NISAとは

まずは、新NISAがどのような制度かざっくりと紹介します。「もう知ってるよ!」という方はこの部分は読み飛ばしてください。

NISAとは、投資で得た利益や配当金に対して税金がかからない制度です。通常の投資の場合、投資で得た利益や配当金には約20%の税金がかかります。

例えば、10万円で購入した株式を20万円に値上がりしたタイミングで売却した場合、利益10万円に対して約20%の2万円を税金として払わなければいけません。そのため、手元に残る金額は8万円になります。

一方で、NISAを活用すると、この2万円の税金がかからずに売却金額10万円をすべて受け取ることができます。この「投資で得た利益や配当金が非課税になる」ことがNISAで投資をする最大のメリットです。

旧NISAとの比較

2023年までの旧NISAでは、投資できる金額が少額だったり、非課税期間が限られていたりといろいろな制限がありました。

2024年から始まった新NISAはこれらの制限が大幅に解除され、投資をやりやすい環境に生まれ変わりました。

そのため、投資を始める人が増えていくと期待されています。
 

月1万円の投資でいくら資産を貯められるか

本題の、新NISA「月1万円」の投資で、老後に2000万円貯めることができるのかということですが、現実的にはかなり厳しそうです。

月1万円の積立を続けた場合に、どれくらい資産が増えるのかをシミュレーションしてみました(年率5%)。

月1万円の積立投資をした場合の資産

経過年数入金額の合計資産評価額損益
1年120,000123,250+3,250
10年1,200,0001,550,225+350,225
20年2,400,0004,075,379+1,675,379
30年3,600,0008,188,588+4,588,588
40年4,800,00014,888,572+10,088,572
46年5,520,00020,790,446+15,290,446
*投資の運用利回りは年率5%で計算

月1万円の投資では、2000万円貯めるのに46年かかってしまいます。NISAは18歳からはじめられるので、成人になったときに始めたら、月1万の投資で65歳までに2000万円貯めることが可能です。

「複利」の効果で、運用年数が長ければ長いほど利益が増えやすいので、投資は早く始めるにこしたことはありませんね。

銀行預金で積立した場合

2024年1月現在の、メガバンクの普通預金の金利は0.001%になります。

もし毎月1万円を普通預金で運用したとすると…

経過年数入金額の合計NISA銀行預金
1年120,000123,250120,001
10年1,200,0001,550,2251,200,061
20年2,400,0004,075,3792,400,241
30年3,600,0008,188,5883,600,542
40年4,800,00014,888,5724,800,962
46年5,520,00020,790,4465,521,272
※ 投資の運用利回りは年率5%、銀行預金は0.001%で計算

46年間運用しても、利息は1,272円にしかなりません。実際はこの利息に税金がかかるので利益はさらに少なくなります。

老後資金の準備や、長期で運用する場合は銀行預金は最適な方法ではなさそうですね。
 

NISA年利5%は現実的か

上のシミュレーションではNISAの年利を5%で計算しましたが、年利5%は実際に可能な数字なのでしょうか。

メガバンクの普通預金の金利(0.001%)と比べると、5000倍も大きな数字なので、達成できるかどうか気になりますよね。

僕も気になったので、実際の運用結果と比べてみました。

実際の運用結果は棒グラフで、年利は破線でまとめています。

経過年数入金額の合計資産評価額損益年利換算
3年10ヶ月1,308,2981,634,187+325,88913.4%
※ 2020年3月~2023年12月の運用結果

まだ期間が短いので何とも言えませんが、2023年12月までの結果をみると、年利13.4%という驚異的な数値で運用できています。

未来のことはわかりませんが、過去の投資実績を見てみると「NISAで5%の運用」は十分可能な数値に思えます。
 

年齢別、老後資金2000万円を用意するのに必要な投資額

月1万円の積立投資では、2000万円の老後資金を貯めるために46年かかることがわかりました。

今30代や40代の人は、65歳までに2000万円貯めるには毎月いくらの積立投資をすればいいのかをまとめてみました。

年齢運用年数年額月額
25歳40年160,000円13,333円
30歳35年220,000円18,333円
35歳30年300,000円25,000円
40歳25年420,000円35,000円
45歳20年600,000円50,000円
50歳15年920,000円76,667円
55歳10年1,600,000円133,333円
*投資の運用利回りは年率5%

55歳から10年間で2000万円を用意しようとすると、毎月13万円以上ものお金が必要に…。かなりハードルが高くなりますよね。

逆に、25歳から始めれば毎月1万円ちょっとの積立で2000万円を用意することができます。決して安くない金額ですが、55歳の金額とくらべたらはるかに少ない金額ですむので早く始めるにこしたことはありませんね。
 

口座開設はネット証券で

ネット証券の大きな強みは、少額からはじめらることと商品数が豊富なことです。

金融機関つみたて投資枠
取扱銘柄数
最低積立金額
楽天証券218本100円~
SBI証券218本100円~
三菱UFJ銀行24本1,000円~
三井住友銀行4本10,000円~
七十七銀行13本調査中
ゆうちょ銀行15本1,000円~
※調査日:2024年1月6日

ネット証券は取扱銘柄数が豊富

NISAの口座選びにおいて取扱銘柄数は非常に重要な項目です。

取扱銘柄数が多いほど選択肢がふえるので、希望に沿った商品を選ぶことができます

ネット証券でない場合は、投資できる商品が限られてしまうので注意が必要です。

ネット証券は最低投資金額が低い

つみたて投資枠は少額から投資できる制度ですが、金融機関によって最低積立金額は異なります。

銀行は最低投資金額が1,000円~となっているところが多いですが、ネット証券なら100円から積立投資ができます

少額から始めたいと考えている方はネット証券がおすすめです。

また、ネット証券でも、分からないことはカスタマーセンターに確認できるので、もしもの時はサポートをしてもらうことができます。

担当者がいない

ネット証券のデメリットとしては、相談できる担当者がいないため、自分で考えて決める必要があるということです。

店頭証券・銀行と比べて、ネット証券では、自分で投資判断を行い売買するスタイルが基本です。自分で決めなければいけない反面、「投資信託、買いませんか?」といった営業電話がかかってくることは少なく、自分のペースで投資をすることができます。あれこれ営業されるのが苦手な人にとっては余計なストレスがかからなくてすみます。

まとめ

この記事では、老後に2000万円を貯めるための期間や投資額について紹介しました。

投資は早く、そして長く続けたほうが月々の運用額がおさえられ、さらに複利の効果で利益が期待できます。

始めるタイミングは早ければ早いほど良いといえます。

初めて購入した投資信託は1000円(2019年4月)。

投資未経験の方は知識が不足していることから「この状態で投資を始めても大丈夫だろうか」と不安になるかもしれませんが、「とりあえず始めてみて、運用しながら知識を増やしていく」というスタンスで、少額からスタートしてみてはいかがでしょうか。

実際、僕も初めは投資に対する不安が強かったのですが、「学ぶよりやって慣れろ」という意気込みで、試しに1000円からスタートしました。

参考

-NISA